🐕 日本で働く“プロの犬”たち｜警備犬・探知犬・警察犬の違いとお仕事内容まとめ

「警察犬」「警備犬」「探知犬」――
どれも“働く犬”として知られていますが、
実は所属も訓練内容もまったく違うんです。

この記事では、日本で実際に活躍している３種類のプロフェッショナル犬たちを、
管轄・役割・犬種・仕事内容の観点から徹底比較します🐾

🏢 警備犬とは？

警備犬（けいびけん）は、人や施設を守るために働く犬です。
警察犬が“事件のあと”に出動するのに対し、
警備犬は“事件を起こさせない”ことを目的に訓練されています。

その任務はテロ対策・要人警護・爆発物探知・災害救助まで多岐にわたり、
日本では警察・自衛隊・民間それぞれに「警備犬部隊」が存在します。

警察の警備犬は、犯人を追跡する「警察犬」とは別に導入されています。
警視庁では警備部警備第一課・警備第二課（警備装備第三係）に所属し、
テロリスト制圧や爆発物探知、災害現場での救助活動までを担当します。

警備犬は、首輪の種類によって自分の任務を理解します。
ハンドラー（担当者）との訓練で、首輪の感触や音で任務を瞬時に切り替えることができるのです。

💡 豆知識：警備犬は「音と感触」で任務を覚える
革の首輪を着けると「戦う心構え」、
鈴付き首輪を着けると「人を助ける心構え」に切り替わるといわれています。
1頭で複数の任務をこなす“多任務犬”こそ、警備犬の真髄です。

自衛隊では、航空自衛隊・海上自衛隊・陸上自衛隊で警備犬が運用されています。
中でも中心的存在なのが、航空自衛隊入間基地「警備犬管理班」。

ここでは全国に配備される警備犬の選定・訓練・教育を統括しています。

💡 豆知識：爆発物探知の仕組み
RDX（ヘキソーゲン）やTNT、硝酸アンモニウムなどの爆薬臭分子を特定学習しており、
わずか数グラムの化学物質でも嗅ぎ分けます。

年・災害	活動内容	出動犬例
2021年熱海土砂災害	生存者捜索・防衛相表彰	アイオス号、ロック号、ベルディ号ほか
2024年能登半島地震	被災者救助活動	那智号、ティガ号など

ALSOKやJapan K9などの民間企業でも警備犬が活躍しています。
工場や倉庫、港湾などでの巡回警備・侵入者警戒・防犯抑止を担当。
ハンドラー（警備員）とペアで行動し、夜間の犯罪防止に大きな効果を発揮しています。

探知犬は、人間の100万倍もの嗅覚で危険物を見抜く“生きた探知機”。
空港・港湾・郵便検査などの場で、麻薬・爆発物・現金・果物・肉製品を探し出します。

💡 豆知識：探知犬は「ごほうび」で働く！
探知犬は“麻薬”を探すのではなく、「目的の匂いを見つけるとボールで遊べる」と覚えています。
危険物を見つけても恐怖を感じず、遊び感覚で正確に働くのです。

警察犬は、事件や事故現場で捜査を支援する犬です。
人の匂いを追って犯人や行方不明者を探す――まさに“鼻の捜査官”。

💡 豆知識：警察犬の7割は“嘱託犬”
全国の警察犬の約7割は、民間訓練士が育てた嘱託警察犬。
普段は家庭で暮らし、事件発生時に警察の要請で現場に向かいます。

区分	管轄・所属	主な目的	活躍分野	象徴する言葉
警備犬	警視庁・防衛省・民間	犯罪予防・警護・災害救助	工場・基地・要人現場	「守る」
探知犬	財務省・農水省・税関	危険物や密輸品の発見	空港・港湾・水際	「嗅ぐ」
警察犬	都道府県警察	犯罪捜査・行方不明者捜索	事件現場・山林	「追う」