飼育歴47年9カ月──世界一のご長寿イルカ「クロス」永眠【新江ノ島水族館】

新江ノ島水族館で飼育されていた世界最長記録のカマイルカ「クロス」の追悼イメージ いるかまにあ 🐬 イルカの生態を学ぶ
47年9カ月を生きたカマイルカ「クロス」。新江ノ島水族館の象徴として愛され続けた一頭。

神奈川県の新江ノ島水族館(しんえのしま)は2025年11月23日、カマイルカのオス「クロス」が11月22日(土)の朝に永眠したと発表しました。

クロスは1978年2月16日に旧・江の島水族館にやって来て以来、47年9カ月ものあいだ飼育されてきた、世界最長飼育記録を持つカマイルカです(公益社団法人日本動物園水族館協会〈JAZA〉のデータによる)。

死因は腎不全(その他調査中)とされています。


クロスってどんなイルカだったの?

新江ノ島水族館の公式発表や、これまでのトリーター日誌から分かる「クロス」の横顔を、少しだけ整理してみます。

カマイルカ
  • 種  類: カマイルカ(Pacific white-sided dolphin)
  • 性  別: オス
  • 搬入日: 1978年2月16日(旧・江の島水族館へ)
  • 飼育年数: 47年9カ月(2025年で48年目)
  • 特徴:
    • 旧館時代からイルカショーで活躍
    • 高齢になってからもレントゲン検査など新しいことに挑戦
    • 大学との共同研究にも参加
    • 「とても真面目でまっすぐな性格」
    • 新人トリーターが最初に担当することも多く、「クロスに育ててもらった」スタッフがたくさんいる

えのすいの公式トリーター日誌では、クロスは「ベテランの同僚」のような存在として何度も登場します。2025年春には「国内だけでなく世界一長生きしているカマイルカ」であることが紹介され、えのすい20周年のテーマ「生き物たちへの感謝」を象徴する一頭として取り上げられていました。


最後の日々──「ボール遊び」ができるくらいまで

公式発表によると、クロスは11月に入って少しずつ体調が悪化していたものの、
それでも最後まで

  • 大好きなボールで遊ぶ
  • ホースの水に体を当てに来る

といった様子を見せていたといいます。

長年そばにいたトリーターたちにとっては、いつも通り遊びに来てくれる仕草ひとつひとつが、「まだ大丈夫」と信じたい気持ちとのせめぎ合いだったかもしれません。


カマイルカの寿命と、クロスの「47年9カ月」が意味するもの

カマイルカ(Pacific white-sided dolphin)は、北太平洋の冷たい海にすむイルカの仲間です。野生では40年以上生きる個体もいるとされ、飼育下ではおおむね30〜40年ほどが寿命の目安とされています。

一方で、一部の保護団体のまとめでは、捕獲後まもなく死亡してしまう個体も多く、飼育下の平均寿命は5年に満たないという指摘もあります。

そのなかで、47年9カ月という記録は、

「たまたま長生きした一頭」ではなく、
長期にわたるケアと試行錯誤の積み重ねがあって初めて届いた年数

といえます。

もちろん、イルカの飼育やショーには賛否両論があり、「そもそも飼育すべきか」という議論も続いています。その一方で、クロスの存在が、

  • イルカの老い方や病気
  • 高齢個体に必要なケア
  • 長期飼育の影響

など、海の哺乳類を理解するための貴重な“生きた記録”でもあったことは間違いありません。


「クロスから学んだことを、これからも」えのすいのメッセージ

新江ノ島水族館は公式コメントの中で、

「これまで『クロス』から学んだことを、今後の展示・飼育に生かしてまいります」

と述べています。

長い年月を共に過ごした動物が旅立つとき、
水族館や動物園は「ただの悲しみ」で終わらせず、

  • 飼育技術の継承
  • 医療データの蓄積
  • 展示や教育プログラムへの反映

として、次の世代の生き物たちにバトンを渡していく役割を担っています。

クロスは、えのすいで働く人たちの“先生”であり続けたイルカでした。
新人トリーターが最初に担当する相手にクロスが選ばれていたのは、きっと「この子なら安心して任せられる」という信頼の証だったのでしょう。


献花台の設置と、クロスに会えた人たちへ

えのすいでは、11月24日(月・振替休日)から、イルカショースタジアム1階サブプール前にクロスの写真と献花台を設置すると発表しています。

かつてショーで声援を送った人、
プールの上からふっと顔を出したクロスと目が合った人、
「ご長寿イルカに会いに来たんです」と訪れた人……。

それぞれの思い出を胸に、
静かに「ありがとう」を伝えられる場所になりそうです。


「あの日見たイルカ」を、これからどう語り継ぐか

水族館で出会うイルカやペンギン、カメたちは、
私たちにとっては「一瞬の思い出」かもしれません。

でも、クロスのように何十年も同じ場所で暮らす動物たちは、
スタッフにとっても、来館者にとっても、
その地域の人にとっても、“時間を超えて共有される存在”になっていきます。

  • 子どもの頃に見たイルカを、
  • 大人になって、今度は自分の子どもに紹介する。

そんな風に世代をまたいで語り継がれていく「一頭」がいたことは、
水族館という場所の意味を、もう一度問い直すきっかけにもなるはずです。

クロスに会ったことがある人も、ニュースで初めて知った人も、
もしよければ、あの日の水しぶきや、プールの青さ、
イルカの息づかいを、少しだけ思い出してみてください。

47年9カ月という時間を、
私たちは「世界最長記録」という数字だけでなく、
一頭のイルカと人との長い物語として、これからも覚えていたいですね。

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