猫は高いところから落ちても、なぜいつも足から着地できるのか?
しかも空中で“くるっ”と体をねじって向きを変える──重力の支配下にあるはずなのに。
この謎は「ネコひねり問題(The falling cat problem)」として、100年以上も物理学者を悩ませてきました。
「角運動量保存の法則」に反するように見える猫の回転。
しかし、最新の解析では「猫は法則を破っていない」ことがわかってきたのです。
その“ねじりの天才技”を、科学でわかりやすく解説します。🐾🔬
🧩 ネコひねり問題とは?
ネコひねり問題(Falling cat problem)は、1894年、フランスの生理学者 エティエンヌ=ジュール・マレー(Étienne-Jules Marey) による高速撮影映像から始まりました。
猫が落下中に体をねじり、見事に足から着地する様子を解析したところ、ある疑問が浮かびました。
「外から何の力も加わっていないのに、なぜ猫は自分の体を回転できるのか?」
当時の物理学者たちは混乱しました。
なぜなら、角運動量保存の法則(Law of conservation of angular momentum)では、外力がなければ物体は自分で回転を始めることができないからです。
つまり、
「猫は物理法則を破っているのでは!?」
と真剣に議論になったのです。
⚙️ 角運動量保存の法則とは?(やさしく解説)
角運動量とは、「回る力の勢い」を意味します。
ブランコをこぐ時、途中で体を縮めると速く回る──あの現象がまさに「角運動量保存」。
数学的にはこう書けます: L=Iω
- L:角運動量(一定)
- I:慣性モーメント(回りにくさ)
- ω:角速度(回る速さ)
つまり、体を縮める(Iを小さくする)と、回転速度ωが上がる。
この法則をうまく使うと、外力なしでも「体の一部だけをひねる」ことができるんです。
🐾 猫のひねり動作をステップで分解
猫は空中で次のような“二段ひねり”を行います👇
🌀 ステップ①:体を折る
まず背骨を軸に、前半身と後半身をずらすように折る。
前半は小さく縮め、後半は伸ばすことで「慣性モーメント」に差をつけます。
🌀 ステップ②:前半身を先に回転
前半身が軽くなった分、速く回転。
後半は慣性が大きいため、あまり回らない。
🌀 ステップ③:次に後半をひねる
今度は逆に後半を縮め、前半を伸ばす。
これで後半が回転し、全体として体の向きが180°反転します。
🌀 ステップ④:四肢を伸ばして着地姿勢へ
回転を終えたら、足を広げて着地ショックを吸収。
猫特有の柔軟な関節と筋肉がここで生きてきます。
🧠 結果:角運動量の総和はゼロのまま!
猫は“前後で相殺”することで、法則を破らずに体の向きを変えているのです。

🧮 簡単なモデルで考えてみよう
物理学では、猫の体を「2つの棒(前半身・後半身)」でモデル化します。
それぞれの棒が独立に回転できると仮定すると…
I₁ω₁ + I₂ω₂ = 0
つまり、
前半の回転(+)と後半の回転(−)がつり合って、全体の角運動量はゼロのまま。
でも、合体した猫全体は「向きが変わる」。
これが“猫の魔法”の正体です。

💡 実際の観測とシミュレーション
- 高速カメラ実験では、猫はわずか 0.5秒〜1秒 で回転を完了
- 背骨と肩関節の柔軟さが回転制御の鍵
- NASAの無重力実験でも、猫型ロボットで同様の動きが確認
- ロボット工学でも「Cat Righting Reflex(猫の反射)」が模倣されており、宇宙船姿勢制御の参考にされています🚀
🪐 重力を“裏切っている”ように見える理由
実際には猫は重力を利用しながら、力学の中で最適に体をコントロールしています。
見た目は「重力を裏切る」ようでも、
猫は地球の法則を“最高に上手く使いこなしている”のです。
⚠️ 安全のために
猫の「着地力」は見た目以上に繊細です。
2階程度の高さ(約3m)でも、着地姿勢が崩れれば骨折や内臓損傷のリスクがあります。
「猫は高い所から落ちても平気」──これは誤解です。
室内飼い猫の“高所転落”事故は意外と多いので、ベランダ・窓の柵対策を忘れずに。
🧬 まとめ
猫は角運動量保存則を破らずに、体を分割して回転を生み出す天才。
それは筋肉でも魔法でもなく、「数学と生理学の融合した動き」。
100年以上の研究を経て、
「ネコは重力を裏切らない。けれど、重力の上を舞う。」
この美しい結論にたどり着いたのです。🐈✨
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