🧬 犬と猫は同じ祖先だった!? 犬と猫はいつ分かれたのか?|共通祖先ミアキスとドミニオシオン“ミアキス”がつないだ5,000万年の物語

森の中を歩く小型の肉食動物「ミアキス」。犬と猫が分かれる前の共通祖先として描かれた復元イラスト。 あにまるまにあ 🐾 動物の生態を学ぶ
約5,000万年前、犬と猫はひとつの祖先「ミアキス」から進化を始めた。太古の森に生きた共通のルーツをたどる。

🐾 犬と猫は「いとこ同士」だった?

「犬と猫って、全然性格が違うのに、もともと同じ祖先だった」
——そう聞くと、ちょっと信じられませんよね。

でも、最新の古生物学では、犬と猫をはじめとするすべての食肉動物のルーツは一つだとわかっています。
その鍵を握るのが、ドミニオシオン(Dormaalocyon)とミアキス(Miacis)という2つの祖先です。


🦴 第1章:5,600万年前の原点「ドミニオシオン」

最古の食肉動物といわれるのが、ドミニオシオン・ラトゥーリ(Dormaalocyon latouri)
およそ5,600万年前、ヨーロッパ(現在のベルギー周辺)の森に暮らしていました。

By Charlène Letenneur (MNHN) and Pascale Golinvaux (RBINS) – https://web.archive.org/web/20150303110342/https://www.eurekalert.org/multimedia/pub/66720.php, CC BY-SA 4.0, Link

体長は30cmほどの小動物で、木登りが得意。
鋭い歯で小型の哺乳類を捕食していたと考えられています。

🔬ドミニオシオンは、「犬・猫・クマ・アシカ・ハイエナ」など、
現代の肉食動物すべての共通祖先に最も近い存在です。

現代の食肉目動物の最も初期の祖先

つまり、ここが“すべての始まり”——犬と猫のルーツが交わる点なのです。


🌳 第2章:共通祖先「ミアキス」の登場

その後の時代、約5,000〜4,500万年前。
ドミニオシオンの子孫たちは進化を続け、森の中に「ミアキス(Miacis)」という新しいグループが現れます。

GFDL, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

ミアキスは、しなやかな体を持ち、
木の上で生活しながら昆虫や小動物を狩って暮らしていました。

研究では、「犬型」と「猫型」が分かれる直前の姿とされ、
犬と猫の共通祖先に最も近い動物」と考えられています。


⚡ 第3章:犬と猫の“分かれ道”

時は約4,200万年前。
ミアキスの子孫たちの中から、2つの系統が誕生しました。

系統名称特徴
🐕 イヌ型亜目(Caniformia)ヘスペロキオンなど社会的・俊敏・嗅覚に優れる
🐈 ネコ型亜目(Feliformia)ヴィヴィエラ類など単独行動・夜行性・鋭い視覚

これが、犬と猫が決定的に分かれた瞬間です。

最古のイヌ科の祖先 ヘスペロキオンネコ型亜目の初期系統 ヴィヴィエラ
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Cynodictis.jpg
By Robert Bruce Horsfall – W.B. Scott’s A History of Land Mammals in the Western Hemisphere. New York: The Macmillan Company, page 529, Public Domain, Link
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Viverra_zibetha_ras.jpg
By Robert A. Sterndale – Natural History of the Mammalia of India and Ceylon, Public Domain, Link 
ラテン語で「ジャコウネコ(civet)」の意味

つまり——

「犬と猫はミアキスの子孫」
「その分かれ道が約4,200万年前」
というのが、現代の科学が導いた答えです。


🧬 第4章:進化で変わった“性格”と“生き方”

犬と猫の違いは、見た目だけではありません。
進化の過程で、それぞれまったく異なる環境に適応していきました。

比較項目犬型(イヌ亜目)猫型(ネコ亜目)
生態群れで狩りをする単独で狩りをする
感覚嗅覚が発達視覚と聴覚が発達
性格社会的で忠実独立的で慎重
現代の代表犬・クマ・アザラシ猫・ヒョウ・マングース

進化の方向がまるで正反対なのに、
どちらも人間と深く結びつく存在になったのは、まさに奇跡のようです。


🕰️ 第5章:5,000万年の進化をたどるタイムライン

約5,600万年前 ドミニオシオン(最古の食肉動物)
 ↓
約5,000万年前 ミアキス(犬と猫の共通祖先)
 ↓
約4,200万年前 イヌ型亜目とネコ型亜目に分岐
 ↓
約3,800万年前 ヘスペロキオン(最古の犬型)
       ヴィヴィエラ類(最古の猫型)
 ↓
現代 犬と猫が再び“家族”として共に暮らす

💡 まとめ:犬と猫は「遠い親戚」だった!

犬と猫が同じ家で仲良く暮らす今。
その姿の奥には、5,000万年の進化の記憶が隠れています。

「ドミニオシオン」という原始の命から、
「ミアキス」という共通の祖先を経て、
犬と猫はそれぞれの道を歩み、
いま再び、人のそばで共に生きている——。

それはまるで、長い旅を終えて再会した“いとこ”のような物語です🐕🐈✨

起源を知るとペットがもっと愛おしくなりますね!(*^^*)


🧩 参考文献・出典

  • Solé, F. et al. “New carnivoraforms from the early Eocene of Europe and their bearing on the origin of Carnivora.” (2014, Journal of Vertebrate Paleontology)
  • Flynn, J.J. et al. “Early evolution of Carnivora and carnivoramorphans.” (2005)
  • Nature Communications, 2014年1月:「Dormaalocyon, oldest carnivorous mammal」

❓FAQ

Q1. ミアキスって犬?猫?
→ 犬でも猫でもありません。両方の祖先に近い「食肉目の原始的な動物」です。

Q2. 犬と猫が分かれたのはいつ?
→ 約4,200万年前です。この時に「イヌ型亜目」と「ネコ型亜目」に進化が分かれました。

Q3. 犬と猫が再び一緒に暮らすのはなぜ?
→ 人間と共に暮らすようになったのはごく最近(1〜2万年前)。
 人と動物の関係性が、進化の“再会”を作ったといえるでしょう。

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