ニホンテンの不思議|冬は黄色、夏は黒?色が変わる理由と「ツシマテン」が天然記念物のワケ

ニホンテンの夏毛(左:黒褐色のスステン)と冬毛(右:鮮やかな黄色のキテン)を左右で並べた比較画像。背景は左が緑の森、右が白い雪景色のデザイン。 あにまるまにあ 🐾 動物の生態を学ぶ
季節によって劇的に姿を変えるニホンテン。左が夏毛(スステン)、右が冬毛(キテン)です。

雪の上を走る、黄色い影
……でも不思議と、目に入りにくい。

日本の森には、そんな“季節で姿が変わる”イタチ科がいます。
それが ニホンテン(テン)です🟡🌲

  • ニホンテンは本当に季節で色が変わるの?
  • キテン/スステンって何?
  • ツシマテンが天然記念物になった理由は?
  • イタチとの見分け方は?

  • ニホンテンは、季節で毛色が大きく変わる個体がいます(冬:明るめ/夏:暗め)。
  • 対馬にだけいる亜種 ツシマテンは、国の天然記念物(1971年6月28日指定)です。
  • ツシマテンは環境省レッドリストで 準絶滅危惧(NT)に掲載されています。

ニホンテンは「冬=黄色」「夏=黒っぽい」って本当?

毛色は季節で“かなり”変わる(個体差あり)

ニホンテンは、季節で毛色が変わることで知られています。

ホンドテン(青森県八甲田山、2006年)
  • 冬毛:胴が黄褐色〜黄色っぽく、頭が白っぽくなる個体が多い
  • 夏毛:全体が黒褐色になり、顔や四肢が黒く見えやすい

この毛色の呼び分けとして、俗に

  • キテン(黄貂)
  • スステン(煤貂)
    が使われます。

※注意:地域・個体差が大きく、冬でも暗め夏でも黄色みが強めの個体がいます。


サイズ感は「猫くらい」だけど、体は軽い

ツシマテン(ニホンテンの対馬亜種)では、

  • 体重:1〜1.5kgほど
  • サイズ感:猫くらい

と紹介されています。


食べ物は“肉も果実も”いける雑食タイプ

ツシマテンは、

  • ネズミ類
  • 果実
  • 昆虫
  • 両生類・爬虫類
    などを食べる例が動物園の解説で示されています。福岡市動植物園

「森のハンター」なのに、果実もふつうに食べる
ここ、地味に“へぇ〜”ポイントです🍎🐾


北海道・佐渡のテンは「人が持ち込んだ」個体群とされる

環境省の資料では、北海道・佐渡のテンについて
ネズミ駆除や毛皮目的で導入されたケースが多い、という整理があります。環境省
北海道の外来個体群の扱いについては、道の外来種情報でも導入年代などが示されています。


季節の背景に溶け込む「保護色」説が有力

夏の森は暗く、影が多い。
冬の森は、雪や枯れ草で明るい。

だからテンは、季節で体色が変わることで
見つかりにくくなる(=捕食や狩りに有利)
と考えられています。


冬毛は“暖かい毛”になりやすい(防寒)

冬毛は、単に色だけでなく、毛の密度なども変わりやすい。
結果として、寒い時期を越す性能が上がります(一般に哺乳類の換毛で起きる変化)。


ツシマテンは「国の天然記念物(1971/6/28)」

文化庁の国指定文化財等データベースでは、ツシマテンは

  • 種別:天然記念物
  • 指定年月日:1971.06.28
  • 指定基準:(一)日本特有の動物で著名なもの及びその棲息地

と整理されています。国指定文化財データベース


天然記念物になった“理由”は2つ

理由①:対馬だけにいる「固有亜種」だから

ツシマテンは、ホンドテンの対馬固有亜種として扱われます。環境省
島の隔離環境で独自性が強まり、学術的価値が高い、という文脈です。

理由②:「保護しないと失われうる」現実がある

ツシマテンは、環境省レッドリスト2020の哺乳類で掲載され、
カテゴリーは NT(準絶滅危惧)です。

さらに対馬では、交通事故(ロードキル)がしばしば発生することが環境省の現地発信でも触れられています。


天然記念物の動物は「勝手に捕まえちゃダメ?」

ざっくり言うと、捕獲や採集など“保存に影響する行為”には許可が必要です。

文化庁のパンフレットでも、
天然記念物を捕獲・採集したり工事等を行う場合に許可が必要と説明されています。

(※現場での対応は状況で変わるので、行政・専門機関への連絡が基本)


テンとイタチの見分け方

テンは季節や個体差が大きいので、顔だけで断定はしないのが安全です。

見るべきポイントはこの3つ👇

  • ① 体のボリューム感:テンのほうが“猫寄り”の存在感
  • ② 尾のふさふさ感:テンは尾がしっかり長く見えやすい
  • ③ 季節毛の変化:冬に頭が白っぽく、体が黄褐色に寄る個体が多い(ただし例外あり)

「人に話したくなる」小ネタ

対馬では、冬毛のツシマテンが
「ワタボウシカブリ」(綿帽子をかぶったみたい)
と呼ばれることがあります。。


まとめ

  • ニホンテンは、季節で毛色が変わる個体がいる(キテン/スステンの呼び分けもある)。
  • ツシマテンは 対馬固有亜種で、国の天然記念物(1971/6/28)
  • ツシマテンは 準絶滅危惧(NT)として掲載され、交通事故などのリスクも指摘される。
  • 天然記念物は、捕獲など保存に影響する行為に許可が必要になる。

もし対馬で夜の道を走ることがあったら、
ヘッドライトの先に“綿帽子の影”が飛び出すかもしれません。
その一瞬が、日本の自然史そのものです。🌙🐾

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